【レビュー】カルマンフィルタ


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  • 出版情報
  • ・著者:野村俊一/著
  • ・出版日:20160908
  • ・ページ数:168P
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目次

第1章 確率分布と時系列に関する準備事項
1.1 多変量確率分布の基礎
1.2 時系列の基礎と代表的な時系列モデル

第2章 ローカルレベルモデル
2.1 はじめに
2.2 状態の推定と観測値の予測
2.3 初期化とパラメータ推定
2.4 ローカルレベルモデルと等価なARIMAモデル
2.5 RパッケージKFASによる解析コード

第3章 線形ガウス状態空間モデル
3.1 はじめに
3.2 線形ガウス状態空間モデルの解析手法
3.3 線形ガウスモデルの設計と解析

第4章 線形非ガウス状態空間モデル
4.1 はじめに
4.2 条件付きモードとガウス近似モデルの導出
4.3 インポータンス・サンプリング
4.4 線形非ガウスモデルの解析手法
4.5 解析例:東京都における1日の火災件数の予測

第5章 非線形非ガウス状態空間モデル
5.1 はじめに
5.2 フィルタリング,状態平滑化,長期予測の漸化式
5.3 粒子フィルタ
5.4 解析例:金利の期間構造モデルの推定

概要

 カルマンフィルタは,もともとは工学分野における動的システム制御の手法として提案されたものであったが,その後,時系列解析手法としてのカルマンフィルタの有用性が見出され,現在に至るまで様々な派生形が生まれるとともに,その応用範囲を拡大してきている。時系列データを分析して予測する状況は枚挙に暇がないが,様々な時系列分析のニーズに応えられる柔軟な時系列モデルの枠組みとして状態空間モデルがあり,状態空間モデルの推定をコンピュータで高速に与える計算手法がカルマンフィルタである。
本書は,主にカルマンフィルタを用いた時系列解析の方法論と,データ解析の実践を解説する。特に,統計用フリーソフトRを用い,多種多様な時系列への対応を念頭に置いた解析例と,具体的な解析コードの例示に多くのページを割いている。身近なデータに対する解析例も盛り込み,内容の理解を助けている。
 まず事前準備として,多変量の確率分布と時系列の基礎知識および代表的な時系列モデルについて解説する。その後状態空間モデルを導入し,最も基本的な状態空間モデルであるローカルレベルモデルや,線形モデルと正規(ガウス)分布を仮定した状態空間モデルを扱い,それらの解析手法としてカルマンフィルタを導入していく。さらにそれらのモデルに対して観測分布を正規分布以外へと拡張した非ガウス状態空間モデルと,その解析手法を扱う。最後に,非線形かつ非ガウスな状態空間モデルの一般形を扱い,その解析手法として粒子フィルタを紹介する。なお,章が進むにつれて,扱うモデルがより一般化されていく構成となっている。
確率と統計の基礎を修めた学部生,大学院生,社会人であれば十分読みこなせる内容となっており,本書によって,状態空間モデルやカルマンフィルタを用いた実践的な解析までをも習得できるであろう。

レビューの一覧

 ・【決定版】需要予測・市況予測のための時系列分析の本リスト[2021-12-30に投稿]

 ・Pythonで一般ガウス状態空間モデル[2019-12-03に投稿]

 ・データサイエンティスト協会のスキルチェックリスト「データサイエンス力」を学ぶにはどんな本を読んだらよいか[2017-06-11に投稿]

 ・【データ分析の必読10冊+差をつける10冊+100冊超】データサイエンス、データ分析、機械学習関連の本[2016-08-23に投稿]


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