【レビュー】シュレディンガー方程式


【PR】この記事には広告を含む場合があります
  • 出版情報
  • ・著者:須藤彰三/監修 岡真/監修 鈴木克彦/著
  • ・出版日:20131028
  • ・ページ数:176P
  • レビュー数
  • ・週間:0記事
  • ・月間:0記事
  • ・年間:0記事
  • ・全期間:2記事

ジャンルTop10選

目次

1 量子力学の基礎:演算子と波動関数
例題1【波動関数と演算子】
例題2【演算子の交換関係】

2 波動関数とシュレディンガー方程式の性質
例題3【連続の方程式,定常状態】
例題4【古典力学との関係:エーレンフェストの定理】

3 シュレディンガー方程式の解き方
例題5【無限井戸型ポテンシャルのエネルギー】
例題6【無限井戸型ポテンシャルの波動関数】
例題7【波動関数の重ね合わせと古典的運動】

4 波動関数の連続性とデルタ関数型ポテンシャル
例題8【波動関数の連続性とデルタ関数ポテンシャル】

5 固有値方程式の一般的性質
例題9【エルミート演算子と固有関数】

6 束縛状態と散乱状態:有限井戸型ポテンシャル
例題10【有限井戸型ポテンシャル:束縛状態】
例題11【有限井戸型ポテンシャル:散乱状態】

7 自由粒子
例題12【自由粒子の波動関数】

8 不確定性と同時固有状態
例題13【不確定性関係】
例題14【同時固有状態】

9 1次元ポテンシャルによる散乱
例題15【井戸型ポテンシャルによる散乱】
例題16【階段型ポテンシャルによる散乱】

10 線形調和振動子ポテンシャル
例題17【調和振動子:解析的方法】
例題18【調和振動子:エルミート多項式】
例題19【調和振動子:代数的方法】

11 周期的ポテンシャルとバンド構造
例題20【くし型ポテンシャルとバンド構造】

12 極座標での3次元シュレディンガー方程式
例題21【3次元シュレディンガー方程式の変数分離】
例題22【ルジャンドル陪関数と球面調和関数】

13 中心力ポテンシャル
例題23【遠心力ポテンシャル】
例題24【3次元井戸型ポテンシャルの束縛状態】
例題25【3次元井戸型ポテンシャルによる散乱:位相のずれ】

14 水素原子
例題26【重心運動と相対運動の分離】
例題27【水素原子のエネルギー】
例題28【水素原子の波動関数】

15 原子の構造
例題29【原子のエネルギー準位】

16 磁場中のシュレディンガー方程式
例題30【一様磁場中の水素原子】

A Appendix

B 発展問題の解答

概要

 シュレディンガー方程式は量子力学の基本方程式であり,ミクロの世界を記述する上で中心的な役割を果たす。しかしながら,一般の量子力学の教科書は原理から応用まで広い範囲をカバーするため,シュレディンガー方程式の基礎的な取り扱いに関する説明は限られており,初学者にとっては理解しにくい。
 そこで本書では,「シュレディンガー方程式を解く」ことに焦点をあて,方程式を解きながら量子力学の基本的な考え方と特徴的な物理現象を理解できるようにデザインした。初学者でも挫折しないように,必要事項や数学的な技法を過不足なく紹介しながら丁寧に計算を示している。扱う問題は多岐にわたるが,場当たり的に解答を示すのではなく,シュレディンガー方程式を解くための「基本的ステップ」を繰り返し意識できるようになっている。
 本書の内容は,シュレディンガー方程式の性質,1次元のポテンシャル問題,3次元の中心力問題などに絞られており,30題の例題を順番に解くことで代表的な原理や手法が学べるようになっている。例題ごとに発展問題も多数掲載している。また,一般の教科書ではあっさりと説明される場合が多い,束縛状態と散乱状態の違いや同時固有状態などの事項についても丁寧に説明している。「問題を解き,手と頭を動かす」ことで量子力学を初歩から学べる一冊である。初めて量子力学を学ぶ人,量子力学を学びたいが数学の力が足りないと感じる人でも,本書を足掛かりにして高度で包括的な学習に進めるであろう。

レビューの一覧

 ・[Pythonによる科学・技術計算]時間に依存する1次元シュレディンガー方程式の数値解法,量子ダイナミクス,散乱現象,トンネル効果,偏微分方程式,量子力学[2018-05-01に投稿]

 ・[Pythonによる科学・技術計算] 定常状態の一次元シュレディンガー方程式の射撃法による解法(2),調和振動子ポテンシャル,量子力学[2017-09-04に投稿]


amazonで確認