【レビュー】応用群論〔増補版〕 群表現と物理学


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  • 出版情報
  • ・著者:犬井鉄郎/著 田辺行人/著 小野寺嘉孝/著
  • ・出版日:19801005
  • ・ページ数:438P
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目次

1.序論
 1.1 遷移金属イオンの化合物,錯体
 1.2 遷移金属錯体の特徴
 1.3 配位子場理論の歴史
 1.4 配位子場理論の応用
 1.5 本書の内容
 付録 遷移金属原子およびイオンの電子配置,基底状態,イオン化エネルギーI

2.配位子場中の1個のd電子
 2.1 1電子原子の問題
 2.2 中心力場近似
 2.3 立法対称場中の1個のd電子

3.正八面体群と対称操作
 3.1 正八面体の対称操作
 3.2 群の既約表現とエネルギー準位
 3.3 表現の指標
 3.4 準位の分裂
 3.5 反転,鏡映
 付録1 既約表現の行列要素に関する直交性の定理
 付録2 指標に関する第2種直交関係(3.43)の導出

4.電子間相互作用 -2電子問題-
 4.1 2電子問題の定式化
 4.2 積表現,スピン角運動量の合成
 4.3 クーロン相互作用の行列要素,多重項のエネルギー
 4.4 スレーター積分
 付録1 対称表現と反対称表現
 付録2 1/r 12の積分の間の関係式

5.多重項のエネルギー(1) -多電子問題-
 5.1 多電子の波動関数
 5.2 行列要素の計算
 5.3 3電子系のエネルギー行列要素

6.多重項のエネルギー(2) -電子と孔-
 6.1 相補状態
 6.2 相補状態における行列要素
 6.3 エネルギー行列

7.多重項の分裂(1) -低い対称性の配位子場-
 7.1 1電子問題
 7.2 ウィグナー-エッカート(Wigner-Eckart)の定理

8.原子構造と弱い結晶場の近似
 8.1 原子の電子構造
 8.2 結晶場による摂動
 付録 スピン関数による回転の表現

9.多重項の分裂(2) -スピン軌道相互作用,ゼーマン効果-
 9.1 原子またはイオンのスピン軌道相互作用
 9.2 立法対称場中の鉄族イオンのスピン軌道相互作用
 9.3 t3 電子とp電子の同等性
 9.4 2S+1T1,2S+1T2 多重項におけるスピン軌道相互作用
    (等価演算子法による取扱い)
 9.5 2重群
 9.6 クラマース縮重とゼーマン効果
 9.7 有効ハミルトニアン
 付録 ラカー係数

10.光スペクトル
 10.1 エネルギー準位図
 10.2 吸収スペクトル
 10.3 吸収の強度
 10.4 吸収スペクトルの解析
 10.5 吸収帯の分裂
 10.6 吸収線の分裂

11.電子と核振動子の相互作用
 11.1 断熱近似(ボルン-オッペンハイマー近似)
 11.2 基準振動と基準座標
 11.3 非縮重状態に対する電子と振動の相互作用
 11.4 静的ヤーン-テラー効果
 11.5 動的ヤーン-テラー効果
 11.6 ヤーン-テラー歪の間のトンネル効果
 11.7 パリティ奇の振動モードによる光学遷移
 11.8 フランク-コンドン(Franck-Condon)の原理
 付録 (11.73)式の証明

12.分子軌道の理論
 12.1 ハートリー-フォックの方程式
 12.2 分子軌道(Molecular Orbital:MO)
 12.3 配位子場理論と分子軌道
 付録 水素分子のハイトラー-ロンドンの理論

13.常磁性
 13.1 自由な原子またはイオンの常磁性
 13.2 希土類イオンの常磁性
 13.3 鉄族イオンの常磁性

付録
 A 32点群(2重点群)の指標の表
 B クレプシュ-ゴルダン係数の表
 C ウィグナー係数
 D クーロン相互作用の行列要素
 E 既約表現の基底として[111]方向を量子化軸にとったときのクレプシュ-ゴルダン係数の表

概要

 配位子場理論は、無機化学や磁性、光物性物理学の新しい分野重要であるばかりでなく、レーザーなどが関係する電子工学、分子生物学などの研究にとっても必要なものになっている。
 本書は修士課程大学院生が理解できる配位子場理論の入門書として、その基礎的なことがらを平易に解説すると同時に、一般の研究者がこの理論を実際的な問題にすぐ適用できるように現在研究されている問題についても言及している。

レビューの一覧

 ・群の表現と不変量[2019-06-25に投稿]


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